ユニクロ「UNIQLOCK」がサイバー部門に続いてチタニウム部門でもグランプリを獲得。
チタニウムライオンはもっとも斬新で、既成の価値観をくつがえすようなビッグアイデアに与えられる。
その年のカンヌを象徴する部門と言っていいだろう。
インターネットのエキスパートが多いサイバー部門ともまた違い、
世界のビッグエージェンシーの第一線で大きなキャンペーンを手がけている
広告クリエイターたちが、「UNIQLOCK」を認めたことの意味は大きい。
日本は今年、ラジオ、サイバー、チタニウムの3部門でグランプリを獲得。世界の注目を集めた。
フィルム部門のグランプリは、大方の予想通りイギリスのキャドバリー「ゴリラ」(FALLON LONDON)だった。

今年始まったフィルムキャンペーングランプリは
アメリカのXBOX 360・HALO 3(McCANN WORLDGROUP, San Francisco)。

フィルム部門の審査を務めた石井昌彦氏(博報堂)もコメントしていたように、デジタルの時代に「改めて“フィルム”の力を感じさせる二作」である。
フィルム部門の日本の受賞作は以下の通り。
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シルバー
セコム/ホームセキュリティ/「BIG TRAP」篇
(A&P:シンガタ+電通+ギークピクチュアズ)
フィルム部門始め、今年の結果については、11月号の「世界のコマーシャル特集 FINAL」で詳細にお伝えしたい。
編集部 河尻亨一
思えばチタニウムライオンは、BMWフィルムズが生み出したカテゴリーだった。 2002年のカンヌにおいてBMWフィルムズという新しいコミュニケーションモデルを正しく評価できなかったことへの反省から、 カテゴリーを超えて生み出される広告、広告の未来を指し示す広告を評価するために2003年に生まれたのだ。 以降数年間、チタニウムの審査委員長に指名される人々は、年ごとに悩みながら、その賞のあり方を模索してきた。
今年2008年、UNIQLOCKがグランプリに輝いたことの意味は大きい。企業やブランドと人々とのつながり、関係を重視する「ENGAGEMENT」という言葉が多数取り上げられ、 同時に、既存の広告表現に新しい技術を取り入れていくことの重要性が語られた2008年。 ブログパーツというブログをつなぐ地味なツールを軸に組みたてられたコミュニケーションモデルであるUNIQLOCKは、欧米の広告クリエイターたちが模索している時代的テーマを、 彼らがまったく想像しなかったかたちで実現して見せたのだ。たぶん2年前だったら、UNIQLOCKがチタニウムライオンのグランプリをとることはなかっただろう。 ウェブサイトをつくるとかブログをつくるとか、そうしたレベルではなく、ネット技術が生み出す新しいコミュニケーションのありかたが広い意味で議論された今年だからこそ、その受賞が実現したのだと思う。
ゴリラの受賞理由。そして、本当にブランドに落ちているのかどうか? とフィルムの記者会見でクレッグ(・デイヴィス)審査員長に聞いてみた。
答えは、「通常のチョコレートCMのあり方を超えている斬新な作品。そして、チョコレートは気分を高め、プレジャーを呼び覚ますものだから。それをエンターテイメントたっぷりに表現したんだ。」
ディテールの素晴らしさや鼻をグスッとやるところなど、気になる所が満載なこのCM。ウェブ上で多くのパロディーが展開された。 Nirvanaなど、全く違う音楽をかぶせた初歩的なものから、ゴリラに別の演技をさせる手のこんだものまで、一般の人を大きく巻き込み、大成功のキャンペーンとなった。
ソニーのブラビアのCMで、サンフランシスコの坂の上から25万個のスーパーボールを転がし、 「Colour like no other(この上ない色)」というスローガンをつけたファロン・ロンドン社のCD、ホアン・カブレルが初監督までやった作品だ。
フィルム部門でもインテグレーテッド部門でも最大級の評価をもらった、XBOXゲームソフトのHALO 3。 500年後の未来から今の時代を振り返るという設定で、エイリアンたちと戦った戦争ヒーローたちが、リアルに、そしてエモーションたっぷりに戦いの歴史をひも解くもの。 発売を待つ人の期待感を煽りに煽ったこのキャンペーンのおかげで、恐ろしいほど売れたそうだ。
審査員の石井昌彦氏が、審査後熱く語った。「映像の力をもう一度信じてみる。エモーションによって、生活者にとっての体験をどうやってつくるかが鍵になる。 フィルムは動く映像。止まっているものではないからこそ、人間の感情に近いところにあるクリエイティビティーだ。おこる出来事を大きくしていこう。」
そして、UNIQLOCK。個人的にも大好きなこの作品に対して、Nike+で昨年のサイバーのグランプリを受賞し、 今回のチタニウム&インテグレーテッド部門の審査員のニック・ロー氏が「人が欲しいと思うものを、欲しい時に、常にあげられること」がすばらしいと言葉を寄せてくれた。
石井うさぎ(博報堂/制作ディレクター)
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